編集・発行:高岡市美術館
発行日:2018年7月26日
ページ数:88ページ
頒布:1,000円
平成30年7月27日から9月24日まで高岡市美術館で開催された特別展図録。勝興寺の寺宝が中心に掲載されるが、境内配置図や略年表など勝興寺の資料としても使用できる。
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月別アーカイブ: 2018年8月
高岡 瑞龍寺
高岡市にある曹洞宗の瑞龍寺。加賀藩三代前田利常が二代利長の菩提を弔うため建立した。
山門、仏殿、法堂が国宝に、総門、禅堂、大庫裏、回廊、大茶堂が重要文化財に指定されている。
総門から山門への通路。本来は道の左右に砂紋が引かれているそうだが、現在工事道具が置かれていて立入禁止になっている。
山門には仁王像。昼過ぎに行ったが逆光だったので撮影は午前中が良さそうだ。
山門前の石の上に建つと、山門越しに仏殿、法堂がすっぽり収まる。
左手の空き地には東司があった。
今は本尊の釈迦如来の他に、東司の守り神烏枢沙摩明王の御朱印をいただける。
回廊側には烏枢沙摩明王像。元々東司に祀られていた像は現在法堂に祀られている。
右手の空き地には浴室があった。
先の東司と浴室の復元を目指していて、揃えば禅宗の典型的な七堂伽藍になる。
禅宗の左右対称の建物配置は美しい。
浴室の守護神は跋陀婆羅菩薩。
山門から仏殿への通路沿いには燈籠が並ぶ。
左手には禅堂
重要文化財に指定されている禅堂は、京都東福寺、宇治万福寺と3つのみである。
右手には大庫裏。
前の向拝は神仏分離で砺波の千光寺に売却されたが、復元にあたり返却されたもの。
庫裏に祀られているのは韋駄尊天。
仏殿
中央に御本尊の釈迦如来、左右に文殊菩薩、普賢菩薩を祀る。
一番奥に法堂
中央内陣に前田利長の御位牌が安置されている。
内陣の天井には四季の百花草が描かれているようだが、かなり退色して分かりづらい。
法堂の左手、回廊の外に石廟が5つ並んでいる。
手前から前田利長、前田利家(利長の父)、織田信長(利長の舅)、信長の側室正覚院(利長の正室永の母)、織田信忠(信長の嫡子で永の兄)
石廟内にはそれぞれに越前式の宝篋印塔がある。
利長の石廟は他とは違い、壁面に二十五菩薩を刻んでいる。
今日も暑い日で、こういう日は日陰の回廊が救われる。
回廊は山門から法堂までの長さがあるのでとても長い。
入口から東に八丁道と呼ばれる道が870mまっすぐに延びる。
その先には利長の墓所があり、八丁道は墓参道だったのだ。
高岡山 瑞龍寺
富山県高岡市関本町35
高岡 勝興寺
高岡市にある浄土真宗本願寺派の勝興寺。本尊は阿弥陀如来。
浄土真宗はほとんど御朱印がないが、当寺は本尊を書いていただける。
唐門は京都興正寺からの移築
巨大な本殿。京都西本願寺の御影堂を写したと言われる。
国指定文化財としては8番目の大きさだとか。
本殿に詣る。
勝興寺は平成10年から20年がかりで修復工事をしているが、終了が近づき、昨日本坊が一般公開された。
境内ではまだ鼓堂、経堂、渡廊下などがまだ工事中。
手前から奥書院、御内仏、御霊屋
書院
右に大広間、奥左に台所、奥右に式台
現在公開されている場所は、住職らの私的空間なのでいつまで見られるだろうか。
勝興寺には七不思議というのがある。
一、実ならずの銀杏
二、天から降った石
三、水の枯れない池
四、屋根を支える猿
五、魔除けの柱
六、雲龍の硯
七、三葉の松
二、天から降った石
一、実ならずの銀杏
三、水の枯れない池
七、三葉の松
四、屋根を支える猿
あと2つが見つからなかった。
勝興寺の建つ敷地は、越中国の国府国庁があったところとされる。
万葉集を編纂した大伴家持が越中国守として5年間在住したところでもある。
門前寺内町の伏木測候所の建つ場所には国守館があったと推定されている。
本坊の一般公開を記念して、高岡市立美術館では勝興寺展が開催されている。
会期は2カ月ほどだが、どちらに先に行っても、後に行ったほうで割引を受けられる。
展示では普段公開されていない勝興寺の寺宝を間近に見ることができる。
展示図録は1200円。判が少し小さいが、二度三度と貴重な寺宝を確認できる。
雲龍山 勝興寺
富山県高岡市伏木古国府17-1