伊賀市に鎮座する陽夫多神社。御祭神は健速須佐之男命を主祭神とし、五男三女神を配祀する。延喜式阿拝郡の比定社。伊賀河合郷の総社であり、河合天王とも呼ばれ8月に祇園祭が催行される。
東の参道より入る。
神橋を渡って境内に入る。社殿が東向きなのでこちらが表参道かと思ったが、表参道は御旅所古墳のある南側のようだ。
入って右に神井と鐘楼がある。
梵鐘は伊賀で3番目に古い寛文7年の製作。
社殿は背後の宮山の麓に鎮座する。宮山には古墳や中世の城跡があり、地域の中心地だったことを物語る。
拝殿は横に長い。
拝殿と一段上の幣殿に至る階段の両側に高い木が林立する。鳥居又は狛犬の替わりだろうが、伊賀地域ではこの形をよく見る。陽夫多神社は中世、高松神と呼ばれることもあり、この御神木は松であろうか。
階段を上って幣殿へ。本殿に参る。
幣殿には絵馬が掛けられているが、主祭神の須佐之男命に関するものが多い。
そういえば境内に須佐之男命が須賀の地で詠んだ歌碑が建っていた。
三重県は明治期に神社合祀が盛んに行われた地域であり、陽夫多神社も合祀された神社の御祭神は多い。
本殿左に境内社八柱神社、御祭神は大山祇神、火之迦具土神、五男三女神、金山比売神を祀る。
社務所らしい木造建物は無人で、境内の参集殿兼授与所に立ち寄る。地域の公民館的存在でもあるようだが、運良く宮司が居られた。実は3回目の訪問で今まではこちらも無人であった。御朱印をいただく間にお話を聞くと、宮司を継いだ息子さんが去年突然亡くなられて、前宮司が再び勤めることになったという。伝統ある行事も続く神社であるので氏子の方々は心配が絶えないであろうが、遠くなく兼務社になるのかもしれない。
陽夫多神社
三重県伊賀市馬場951