射水市かつて放生津と呼ばれた地に鎮座する放生津八幡宮です。創始は天平18(746)年に越中国守の大伴家持が宇佐八幡宮より八幡神を勧請したと伝えられています。御祭神は八幡神こと応神天皇と、仁徳天皇を配神としています。御朱印には「奈呉乃浦大神」と書かれ、二柱を合わせてそう呼んでいるようです。
放生津の総社は放生津町の氣比住吉神社だったと言われていますが、現在は放生津八幡宮にその役割は移っているようです。
放生津の町中の道路に直行するように鳥居が立てられています。
大鳥居の扁額は安政4(1857)年左大臣近衛忠煕卿の揮毫によるものだそうです。
拝殿の入口に市文化財の木製の狛犬があります。
宮司さんがおいでれば参拝時に太鼓が鳴り響き、厳かな気分になれますよ。
境内には大伴家持公を祀った祖霊社
八衢比古命、八衢比売命を祀る來名戸社(右)と軻遇突智命を祀る火之宮(左)があります。
また創始のきっかけとなった景勝地、奈呉の浦。
本殿裏にあり、知らなければ見逃す方も多いと思いますが、現在はその名残を感じるのは難しい状況です。
大伴家持が奈呉の浦を詠んだ
「あゆの風いたく吹くらし奈呉の浦 人の釣する小舟こぎ隠る見ゆ」
の歌碑や
松尾芭蕉の詠んだ
「早稲の香や分け入る右は有磯海」
の句碑などが奉納されています。
御朱印は境内の社務所でいただけます。そのときに由緒書もいただきました。
大伴家持のおみくじがなんともかわいい。
例祭も多彩で、10月2日に行われる「築山」はここと二上射水神社の二社のみに残る珍しい神事です。
ちょうど今日は例祭前の休みで獅子舞を行っている町もあるということで、しばらく見学してきました。
地元の加賀では獅子を仕留める獅子殺しが主流ですが、能登や富山では獅子と戯れる形式が多いようです。こちらも陽気な雰囲気で、悪魔払いとして獅子を神獣として敬う起源からするとこちらが原型に近いのでしょうけど、新湊周辺では解散の前だけ獅子殺しを演じる地区もあるようです。
放生津八幡宮
富山県射水市八幡町2-2-27