越前市に鎮座する荒樫神社。御祭神は天照皇大神を主祭神とし、仲哀天皇、神功皇后、表筒男神、中筒男神、底筒男神を相殿に祀る。男大迹皇子(継体天皇)の創祀と伝わる。
集落入口に「荒樫神社」の社号標が建つ。
集落の奥に少しわかりにくいが、鳥居と社号標が建つ。社号標は地元の笏谷石だろうか、柔らかい石なので風化している。
階段は車が上がれるように2本の坂が付いているが、現在では段差もできて上がれそうにない。
階段を上がると、広い空間の先に社殿が見える。
階段の右手に何か石碑が建っている。調べると裏手に古墳があるようだが、場所や規模は確認できなかった。
社殿は一段高い場所にあり、階段前に鳥居、社殿前に2本の大きな杉が立っている。
十一面観音立像が2体伝わっているという。
背後の本殿は入口に板で止められている。以前は幣殿で拝殿とつながっていたようだが、幣殿は老化で取り払われたのだろうか。
本殿左に境内社の麻氣神社。かつては僧形の泰澄大師坐像が祀ってあったようだ。
泰澄大師像と十一面観音像がともにあることからみて、中世には白山信仰の影響下にあったらしい。
麻氣神社の左のほうから本殿背後の山に上る。
途中、鳥獣柵を開けて行く。幸い先に続く道はわかりやすかった。
しばらく上ると、本殿の真後ろの平坦地に境内社の鵜甘神社が建っていた。
応神天皇を祀り、延喜式今立郡の論社のひとつ。武内宿禰、繼軆天皇、安閑天皇、宣化天皇、國中主神を合わせ祀る。
帰りにもう一度拝殿内を見ると、随神像が左右にあり、絵馬も数枚掛かっているようだった。
手水は瓢箪形にくり抜かれている。
荒樫神社
福井県越前市西樫尾町28-5