田辺市に鎮座する滝尻王子宮十郷神社。御祭神は天照皇大神を主祭神とし、日子日能邇邇藝命、天忍穂耳命、天津日高日子穂々出見命、鵜葺草葺不合命を配祀する。
境内入口に「世界遺産 紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野参詣道中辺路の石碑が建つ。
ここ滝尻王子宮は富田川と石船川の合流地点にあり、中辺路を歩く者は川で水垢離したという。
境内に休憩所が建つ。
鳥居には「滝尻王子宮」の扁額が掛かり、左の建物にも何か祀っているようだがよく分からない。
境内には後鳥羽上皇の歌碑が建てられ、28回も参詣のあった後鳥羽上皇を顕彰している。
参道を行くと社号標が建ち、先に社殿が建っている。
拝殿に参る。
本殿は弊殿で拝殿とつながる。
滝尻王子宮は熊野古道の中辺路のスタート地点になっている。
時間に少し余裕があったので少し歩いてみることにした。
不寝王子(ねずおうじ)まで0.4キロ15分ということで、途中名所もあるようなので往復する。
少し川沿いを歩くと大岩に根を巻く圧巻の巨木の背後から早速急登が始まる。
片道15分とは言えほぼ上りだったので大変だったが、道の脇にも巨石がゴロゴロと転がっている。
10分弱で胎内くぐりと呼ばれる大岩に到着する。
女性がくぐると安産すると伝えられるが、修験道でいうところの生れ変わりの儀式によく出てくる。
入口も狭かったが、
中に入ると、出口はさらに狭い。リュックを背負っていると通れなかったので、先にリュックを通し、何とか体を通すことができた。
妊婦は通れそうもない。諦めて迂回する人も多いだろう。
そこから少し上ると乳石という伝説の岩がある。
奥州の藤原秀衡が夫人同伴で熊野参りに来た時、ここで夫人が急に産気づき、この岩屋で出産した。夫妻は赤子をここに残して熊野に向かったが、その子は岩からしたたり落ちる乳を飲み、狼に守られて無事だったので奥州に連れ帰ったという伝説なのだが、出産したのは胎内くぐりの洞窟だという記事もある。
さらに2分ほど進むと不寝王子(ねずおうじ)跡に到着したので、滝尻王子に戻る。
昨日の大峯奥駈道のプチ体験に続き、今日は中辺路のプチ体験ができ満足でした。
川向かいの熊野古道館で御朱印をいただいた。
熊野古道館は道の駅みたい地産物の販売所かと思っていたが、中辺路を歩く人のための歴史や準備をする拠点だった。
滝尻王子宮十郷神社
和歌山県田辺市中辺路町栗栖川859番地