能美市寺井の奧野八幡神社。御祭神は応神天皇、神功皇后、比咩大神、少彦名命、武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売大神、高良玉垂命。
寺井には往古石清水八幡宮や南禅寺の荘園があったと言われ、土着した結城氏が寺井の奥城に奧乃社を祀ったのが始まりと言われる。明治に入り、寺井地内の少彦名命社、八幡社、春日社と合祀し、奧野八幡神社と改称されました。
ということで、御祭神の少彦名命が少彦名命社、応神天皇、神功皇后、比咩大神が八幡社、武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売大神が春日社の祭神ということになるでしょうか。奥乃社の御祭神は高良玉垂命ということか、合わせて八幡神も祀られていた可能性はあるが、土着した結城氏が南朝方の忠臣であったことと関係しているのか。
旧寺井町の総社的存在であったので広い境内です。もとは町内に神職がいましたが、現在は兼務社となっています。
境内には摂社や奉納物、祈念碑が所狭しと並んでいます。
この社は祭神が不明
九谷彦三記功碑の横の御神木前に石祠があります。太陽と月を模した窓、中に磐座らしき石、隣県福井ではよく見かける石祠ですが、県内では珍しいものです。
境内社天満宮。御祭神は菅原道真公
本社の御祭神一覧には菅原道真公は上がっていないが、明治41年の合祀は地内五社とあり、残りの一社が境内社の天満宮だったのか、このあたりは再調査が必要です。
天満宮の横にまた石祠。筆塚とありますが、石祠の中はかなり風化していますが仏像のようです。
このあたりは神仏習合の名残なのかもしれません。
境内には宝物館もあり、九谷庄三作冨士越の竜図大皿、初代善平作神苑の鳩図陶板などが納められているようです。
社殿は寺井町一の大社らしく荘厳な建物です。
境内には能美市指定文化財となっている七重塔があります。
朝鮮出兵のとき、前田家家臣が持ち帰ったという説と、加藤清正が持ち帰って利家に贈呈したという説があるが、当時は二基で一対だったとされ、もう一基は兼六園の海石塔だと言われています。また、海石塔と一体で十三重塔だという説もあります。
利常が小松城に移したこの塔を、廃藩置県のときに寺井村の綿屋平蔵氏が買収し、村民挙げて運搬したという記念すべき塔です。
奧野八幡神社
能美市寺井町リ15乙