豊国神社をはじめとした三社が卯辰山の中腹に鎮座する。
花菖蒲苑から参道が延びる。入口の鳥居の社名標は「愛宕神社」、扁額は「卯辰山三社」
千杵坂を上ると参道は右に折れる。その角に日暮ヶ丘という見晴らしの良い場所があり、遠く金沢城も臨める。藩政期、凶作で米買い占めが起こった際、町人が二晩にわたって金沢城に向かい「米よこせ」と叫んだ安政の泣き一揆の場所と推定されている。
三之坂を上ると瀧ヶ丘、右手に安達幸之助の碑。
二之坂を上ると威泉ヶ丘、右手に北越戦争戦死者の碑が連なって建つ。
最後の一之坂を上ると景雲台と呼ばれる境内。
境内に入ると左手に「業平の井筒」がある。謡曲「井筒」に由来する井戸であり、本来は奈良県の在原寺にあったものだが、幕末にこの地に移されたという。
階段を上った正面の社は卯辰神社。拝殿に架かる扁額は「天満宮」。御祭神は菅原道真公。
左手の奥に愛宕神社。御祭神は火の神愛宕大神。
右手に豊国神社が鎮座。御祭神は豊臣秀吉公。卯辰山王と称して秘かに豊臣秀吉公を祀った。表向きは卯辰観音と呼ばれ、藩政期は観音院の神事能が催された。神仏分離により幾度かの遷座で現在地に至る。
由緒ある社なので御朱印があるかと思っていたが、現在は市姫神社の兼務社であり、尋ねたところ授与していないと確認した。
豊国神社・卯辰神社・愛宕神社(卯辰山三社)
金沢市東御影町93