所在地 | 石川県白山市三坂 |
別称 | 三坂峠砦 |
立地 | 丘陵頂部、標高349m |
遺構 | 曲輪、土塁、堀 |
規模 | 110m X 40m |
城主 | 一向一揆 |
時期 | 戦国 |
駐車場 | 国道沿いの待避所に2台ほど |
訪城(登城口)のアクセス | |
城内の散策路 | |
遺構・縄張の残り具合 | |
遺構の地表状態 | |
城館からの眺望 | |
城館の見学時間(登城口から) | |
見学の服装 |
配布カード
- 三坂峠城 Ver.1.0
攻城月:2021年12月
踏査時間:約1時間30分
天気予報が外れて曇の広がる天候になったが、一度場所を確認したかった三坂峠城を探しに行く。
登城口は白山市と小松市の境界にある三坂トンネルの小松(中ノ峠)側口。道路脇に2、3台駐車できるスペースがあるのでここに車を停めてその先の森に入る。
入ってすぐに立入禁止のチェーンがあるがくぐって中に入る。
とりあえず川沿いの道を上り道がないか確認しながら歩いて行く。
しかし行けども行けども斜面が続くのみで城跡の場所から離れる一方なので尾根を目指して斜面を登ることにした。
急斜面には巨石が顔を出しているところもある。
滑りやすいので気をつけて斜めに登りながらようやく旧三坂峠道に辿り着いた。
ここまで50分ほど費やしてしまいました。
明治時代に廃道となった三坂峠道であるが、予想外に藪も深くないきれいな道だった。
すぐに最高所の三坂峠に出た。左手の斜面にも道がある。
近くの木に「府峠(三坂峠)330m」の表示板。後で調べて分かったことはこの旧三坂峠道は近辺の最高峰で市境になる火燈山(ひともしやま)への登山道になっているらしく、知る人ぞ知る登山道だった。峠の左手に延びる道を北に進むらしい。
峠は深い堀切状になっている。右手(南)が城跡になる。
入口部分は狭いが平坦で
背後が切岸のように断っているが、廃道まで峠茶屋があった場所だとされているので少し改変されている可能性はある。
左手(東)に回り込むように上る。途中倒木があるが藪は深くない。
振り返って峠を見下ろすとすでにかなり高低差があることがわかる。
丘陵上に出るまでしっかり道跡が見える。
丘陵上に出て驚いた。この時期は落ち葉で見通しがきくものだが、地表面も落ち葉以外草がほとんどない。
最初に迷い込んだ斜面には杉の植林があったが、頂上部は自然の雑木林だった。
とても歩きやすい
進むと目の前に両側に落ちる竪堀が現われる。右が少し手前で食い違っている。
右(西)の竪堀
左(東)の竪堀
さらに進むと少し段差が見えてくる。
三坂峠道は城跡の東裾を白山市側に下りていくようで、東ほど段差が大きくなっている。
上の段に上る。
その先は尾根が下っていく。
堀切がその尾根を遮断している。
少し土が崩れて埋まっているようだ。
上の段に戻り、東側を望むと眼下に鳥越城の整備された曲輪群が見えた。
葉が落ちて見通しがきくと言っても木々が密集しているのでカメラのピントが合わなかった。
雲間から日が出てきて、段差に陰ができると少しはわかりやすい写真になる。
峠に戻り東のほうに進んでみる。
三坂峠道は峠から城跡を巻くように南に曲がるが、今日はそのまま東へ続く道を行ってみた。
かなりの急角度で峠道が下りていく。
この先にも平坦地らしきものがあるそうだが、後の用事の時間が迫っていたので引き返すことにした。
峠から西に日本海が見える。天候が良いときに来ればもっと見通しがいいだろう。
来るときはわからなかった三坂峠道を下りてみる。
7分ほどで藪になって道が切れている。ちょうど三坂トンネルの上に来たようだ。
新しい道が続いていたので下りていく。
道はちょっと急な谷に続いているようだった。
下から見るとシダで道がわかりづらい。
その先も道幅はけもの道のようだった。
登城口は入口に近かった。正面が川沿いの間違えた道で、左手の斜面にわずかに見える道が登城道。入口に三坂峠と同じく火燈山の登山口の表示板があったはずなのだが、今は何もなくなっていた。
登り口は立入禁止のチェーンをくぐって尾根先をまたいですぐ左手になる。右に少し尾根の土盛りが残っている。
元に戻ってきた。城跡までは道順どおりにいけば、上り15分、下り10分というところでしょう。
伝承がなく近年まで存在が未知だった城跡で保存状態はとても良い。